バンブーロッドメイキング開始編

はじめに

2004年2月よりバンブーロッドメイキングに挑戦開始しました
バンブーロッドメイキングにおいて一番弊害になるのは道具が高価だというところだと思う
一番高価なのがプレーニングフォーム、これは可変式と固定式とあるが、当然可変式が高価である
その構造から来るものもだが、プレーニングフォームは精度が命、自作も考えたが精度を求めるなら無理と言っても過言ではない
当然自作するにはディップスゲージも必要となるが、固定式であればディップスゲージは必要ない
1種類のロッドしか作れないという欠点はあるが、可変式の場合はネジのクリアランスやディップスゲージの測定誤差など熟練しても必ず狂いは生じてくるハズ
可変式のプレーニングフォームがないとと考えて居る方も、その購入がビルディングを始める事に弊害になるのなら、考え方を変えるのも必要ではないでしょうか?
まあ、出来上がる保証はありません とにかく少しづつでも奮闘記としてアップします
まず1本目、必要限度の道具を作製中心にその全体的な過程の勉強です
熟練の方には否定される部分も多々あるかと思いますが奮闘記なのでご了承ください

余談ですが、ディップスゲージは溝の深さを測定する測定器、タイヤの溝を計る測定器をディップスゲージと呼ぶ
どうでもいい話しだが、どうも業界ではデプスゲージと呼ぶらしい

[竹割り〜ラフプレーン〜節ずらし〜バインディング]
[オーブン作製及び火入れ]
[プレーン〜バインダー作製]
[バンブー接着〜バインディング〜研摩]
[寸法決め〜フェルール取付〜フェルールすり合わせ]
[塗装〜フラッピング全般]

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竹割り

メイキング開始に伴い、固定式プレーニングフォームは数が少なく苦労して入手したが、♯470の3ピース用を入手、金額は32000円なり
共に入荷したトンキンは3ピースに合わせての3カット120センチ
PHOTO
始めはトンキンが加工しやすいという事だった
トンキンしては5000円と割安だが、けっこう割れが入っていた
とりあえず以前スキーのチューンナップに使用していた会議テーブルを使い、ガレージで作業する事にした
まず、驚いたのが始めからいきなり難しいのが竹割りだった
PHOTO 自作自演のため、割ってる写真はない(笑)
通常六角割りという道具があるが、まずは竹割りナタ1本で六角割りから始める
ちなみに竹割りナタは2500円ほどでホームセンターで購入
六角割りはなく生憎四角割り、五角割りしかなかった
熟練すれば、ナタ1本でかなりの細かい作業が出来る感じだ
中華包丁を思わせる刃先の鋭さに驚く
さて、六角に割りながら各割った竹にマーキングをする
これが小分けした6本の張り合わせになる...らしい?(汗)
その竹をさらに3分割させるのだが、どうも細い方に逃げやすく上手く割れない
ひとつ割ってみると、次ぎは半分に割るから比較的楽なんだが
結局、上手く3分割に割れず、中には1本しか取れない部分も多かった
後で聞いた話では、どうも節の部分はあらかじめタガネなどで亀裂を入れておくといいみたいだ
既に全部割ってしまったため、これは2本目への勉強という事になった
まあ、どうにもならかったら、どっからでも1本取って形だけは仕上げたいと思ってます
さらにプレーニングフォームがあればラフプレーンは必要無いと思ったが
いかにせん雑な竹割りに、キンピラゴボウを作っているようなナタさばき状態であった(笑)
御安心ください、料理も得意な方なもので(爆)

荒削りラフプレーン作成

PHOTO 固定式プレーニングフォームという事もあり、これはラフプレーンもやはり必要みたい
以前ハイエースにベット作った時の角材が余っていたのでそれを使い、ラフプレーンを作る事になった
180センチの角材を半分に切断し、その角材の角を1箇所カンナやヤスリで大雑把に面取りし、片側の側面にドリルで穴を5個開け、木ネジで固定しカッターの刃でカンナ掛け
カッターの刃はちょうど60度、20分ほどで作ったラフプレーンはかなりラフだ(笑)

実際使い始めて気が付いたのが割った竹の断面は台形に近いため、60度では安定しなかった...
後で知ったのだが、30度と60度の面に仕上げるのが通常のやり方みたいだ
結局このラフプレーンは荒削りラフプレーンという事にしてください(笑)

※カンナは後でプレーニングフォーム共に紹介します

曲り修正と荒削り

PHOTO こんな分厚い素材で何時曲り修正をしていいものか迷うが、とにかく簡単に曲り修正
昔、竹の骨組みのグライダーを作った時以来だったので曲り修正も不安の要素だったが、意外にスムーズに出来た
通常アルコールランプやヒートガンを使うらしいが、これは光熱費もかなりのもの
仕事で使っているブンゼンバーナーで曲り修正とラフプレーンを繰り返す
でも竹の表面は硬くてカンナが掛からないので、ナタで節を大雑把に(笑)
これもまた後で聞いた話ではスクレーパーなるものがあるらしい
さらに節はヤスリ掛け

中仕上げラフプレーン作成

木製の荒削りラフプレーンで実は不満があった
カッターで60度のVを切ったのだが、どうしても年輪のところで並を打ってしまう
やはり金属製のラフプレーンが必要かも知れない
固定式プレーニングフォームという事で仕上げはテーパーの溝となるため、ストレートのある程度正確なラフプレーンの作成となった
PHOTO 出来ればアルミの無垢の角材が欲しかった
これにボール盤で穴を開け、タップを切ってネジをつければ可変式のプレーニングフォームにかなり近いものが出来る
早速ホームセンターに行くものの無垢の角材はなく、あったとしても高価である
これも次回のテーマとしてアングル材を購入、肉圧もないので2ミリの板材も同時購入
合わせて1500円程、バイスクリップも持っているが小さいもの2つ1個100円なり

作り方は無垢の角材だったら木製の荒削りラフプレーンとほぼ同じだが
あらかじめ角をヤスリ(金属用)でフリーハンドで面を取り、アングル材に板材を挟みカッターの刃など平面のもので2枚のアングルの平面を見ながら3箇所ほどバイスクリップで固定する
ちょっと驚いたのは角は正確な90度ではない、やはり無垢の角材だが今回は仕方ない
さらに机にバイス2個で固定するのだが、今回はスキーのチューンナップ用
このバイスは結構高価なので、真似をするなら安いバイス2個でも同じ事です(笑)
あとは木製の荒削りラフプレーンの時と同じくカッターと三角ヤスリで、今度こそ60度に
ちなみにホームセンターで売ってるアルミ材は純度が高く、軽合金ではないので割りに簡単に削れます
またしても製作時間は20分ほど、プレーンの時間の方が何十倍だった

中仕上げラフプレーン

PHOTO 実際竹を削ってみると返って2ミリという隙間が開いているためにしっくり来る
当然、削ると竹の中までは曲り修正されていないから曲り修正とラププレーンの繰り返し
曲っているとカンナの掛かりも悪い
荒削りラフプレーンの時はカンナの刃はかなり出しぎみにしていたから気付かなかったが、替刃式のカンナという事で結構刃持ちが悪い
コマメに刃を研ぎながらの作業になり、やっと3ピースのまん中1本のラフプレーンが完了
しかし、竹の表面はナタがスクレーパー状態で節はヤスリ...
まさにスキーのチューンナップ状態だ(笑)
なんとか大雑把にストレートの見た目60度の断面になった

節ずらし

PHOTO 削る事に一生懸命になっていたら、すっかり節合わせを忘れていた!
通常竹割りの後だと思う(汗)
これがまた、その後ほぼラフプレーンが完了する頃に気が付く事に(汗、汗)
でも、実際に割ったばかりの竹は曲り直ししても正確な採寸は不安だったのもあった
節合せはスパイラル?ギャリソンノード?スリースタック?
こちらもいろいろあるみたいで勉強不足なため比較的簡単な手段を取る
割った順の番号を153624というたがい違いの順に配列し、ひとつ置きに4センチ節をずらす
とりあえずリーウエイという余分な部分は長めに90センチで切断
実はプレーニングフォームに付属してるマニュアルが後から届き、こちらには123456と順番に配列して1つ置きに4センチずらす手段があった
7フィート3ピースでは1ピースが約70センチくらいなのでまだ上下10センチほど
ノコは金属用を使用

バインディング

PHOTO いよいよ火入れとなるが、ここは火入れのためのバインディング
バインダーなるものがあるが、写真では使い方もよくわからないから自作も不可能(笑)
あまり必要性も感じないので手巻き
糸は麻糸を使うのが一般的だが、意外にホームセンターでは見つからなかった
100円ショップにあったので購入しバインディング完了
しかし、このあと予測出来なかった事体になり、糸は綿糸に変えた
いろいろ探している間にホームセンターで、もっと質が良さそうな麻糸を発見!太さにも種類がある
だが、注意書きを読むと燃えやすいので火の近くでは使用しないでくださいという但書きがあった
綿は安いレーシングスーツの素材に使われているくらい天然素材としては耐火性に優れている
火入れの時に水分や油分を吸いやすいとかあるらしいが?

オーブン作製及び火入れにつづく

- up date 2004.2.12 -

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