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やじのラリー参戦記(デビュー戦)

記 矢島 融

photo 皆さんこんにちは!やじまです。

今回はジムカーナではなく何とラリーの参戦記です。
ジムカーナばかりやってきた私にとっては当然初めての挑戦でデビュー戦と言う事になります。
何故ここまでジムカーナにはまっておいて今からラリーに?と思う方も見えるでしょうが 思い起こせば免許取りたての頃、元々は車に興味が無かった私のモータースポーツへの関心 はWRCのトップドライバーが飛ぶように走らせていたグループBカーに魅せられたところから 始まった事を考えれば何故今まで出なかったのか?というほうが不思議なくらいなのです。

と言う事でイベントは2003年JAF東日本ラリー選手権の開幕戦FRCラリーマウンテンクロス2003です。
いきなり地区選手権でデビューという事になりますが慣れ親しんだラリーキッズ伊那でのSS開催、 オールターマックの林道SSラリー、ヒルクライム等何かとお世話になっている 鈴木さんのクラブ・FRCでの主催と言う事でデビュー戦に最もふさわしいと勝手に思い、 出場させていただくことにしました。
車は馴染みのGA2シティ!でもレッドラインカラーのジムカーナ車両ではなく、こ こ暫く通勤で使用 してきた真っ白いマシンです。(ジムカーナ車両は既に手放してしまいました)
それに新たにロールバー・補助灯等を装備し、昨年までのジムカーナ仕様の足と同じ くジムカーナ仕様の BRIGのパッドなどを装着して立派なラリーカーになりました。(エアコンもつい てるので雨も安心?です(笑))
ただしエンジンが不調・・・アイドリングが不整脈ですぐにパタッと止まってしまい ます。 (競技中に止まってしまわないかちょっと不安です)

更に一番大事な相棒のナビゲーターは地元大学自動車部のエース!島田さんが乗ってくれる 事になりました。(既に優勝経験も有って頼りになるうえ車内を楽しくしてくれる相棒です) 参加クラスは2駆のAクラス(1400CCまでの2輪駆動車)で私以外は今年から本 格的にラリーに 転向する全日本ジムカーナの仲間、中部の武藤君(昨年全日本A−1クラス5位:通 称ムッチー) のGA2シティ、長野の宮下さんのEP82スターレット、山梨の唐釜さんのK11 マーチの計4台です。 (ちょっと寂しい台数ですね)
今回のラリーはラリーキッズ伊那(Aパレット)でのSS3本(計約6キロ) 舗装の林道でのSS6本(計約30キロ)で競われ、事実上速さだけで順位がつけら れる 純SS形式のラリーになっています。
林道でのSSは概ね南から北に登っていく1本(約7キロ)の林道を行ったり来たり する スタイルで夜道に不慣れな自分には何度も同じ区間を走れる分楽かもしれませんが 6つのSSで計約30キロ・・私には充分長〜い距離で気合が持つか不安ですね(苦 笑)

当日朝

集合はジムカーナでもお馴染みのラリーキッズ伊那、朝の4時に家を出てサービスに 来て くれた神山さんと7時にゲート前に到着、列に並びました。 並んだ車はシビック・ミラージュ・アルト・ランサー・インプレッサ・マーチなどバ ラエティに富ん でますし皆バンパーやフェンダーに歴戦の気配を漂わせていて随分ジムカーナとは違 う入場待ち のムードが漂います。(笑)

レッキ(下見とペースノート作成)

会場にはいると島田さんと合流。
パドックの支度を神山さんにお願いし、まづはレッキの受付を済ませて夜の林道SS コース の下見に向かいました。
コマ図にしたがって約30分ほど走行し、SSの林道入口に到着、オフィシャルの注 意をうけてから コースイン!ゆっくり走りながらペースノートを作成します。 (多くの競技車が対面で走り回るので飛ばす事は出来ません)
コーナーの向きと大きさ、長さを記号に変換し、R3(右のやや小さなコーナー)L 4L (左のやや大きな長いコーナー)等と言う要領でノートを作って行きます。 レッキは約2時間、手馴れた島田さんのお陰でドライバーの妙な注文も盛り込んだ オリジナルノートが出来上がりました。

SS1〜SS3(ラリーキッズ伊那AパレットでのSS)
photo (PHOTO:矢島/島田組&ムッチー/安藤組)

レッキが終わると又ラリーキッズに戻りまづは伊那のAパレットのSSに備えます。
島田さんはペースノートの清書、私は神山さんと洗車・車検等を済ませました。
車検ではゼッケン&ラリー競技車証??等を張らずに列に並んでみたりポジションラ ンプが 切れていたので慌てて借り物を拝借するなど早くもデビュー戦らしいどたばたが始ま りました。(苦笑)
そうこうするうちにCクラスからSS1(正周り2周)が開始。
ドラミの頃から降り出した雨で路面はすっかりウエットなので各車グリップが悪くと ても 走りにくそうに走っています。
(ウエットのラリーキッズは非常に危険なのです・・一体今まで何度刺さった事か・ ・) ゼッケン49の私は暫く眺めてから取りあえずシート合わせでもしようかと車に乗り こんで みるとシートベルトのリア部がついていない!みるとアイボルトが運転席・助手席共無い!! 慌てて乗ってきたCRXについていたアイボルトを外しにかかります。
神山さんや同じく出走直前のムッチーにも手伝ってもらってしまいつつ何とか事無き を得て 出走の列に並びました。(有難うムッチー!)
出走は2台一組で20秒間隔で走ります。
チェックシートをオフィシャルに渡しスタート時刻の指示を受けていざスタートライ ンへ! いよいよラリーデビュー最初のSSスタートです。
10秒前・・・5・4・3・2・1・スタート!!
まづはちょっと合わせつつ滑りやすい1・2コーナーをクリア、更にウエットなので 普通より 小さなラインを選んでヘアピンをクリアしたあと、緩い逆バンクの右コーナーでは予 想通り リアが流れやや失速(分かってんなら抑えろよ!(苦笑))、ストレート後の下りこみ の ヘアピンは早めに減速して小さくクリアし、S字の登りを越えて今度は左の下りヘア ピン。
ここでも早めに減速して小さくクリア!立ちあがりで思わず”甘すぎる”と自分で 声に出してしまった。
2週目はその反省を活かしてすこしブレーキングを深くすると今度はややリアが出過 ぎ。
下りの左ヘアピンではフルカウンターになってしまいましたが”甘いよりは良い”と 納得してゴール。
タイムは1分47秒で2位を2秒離してクラストップでした。

SS2は逆周り、フロントタイヤを93Jに変更してみました。
SS1同様横Gを溜めないように小さく走り概ね大きなミスも無くゴール!
タイムは1分45秒(2位と4秒差のトップ)
SS3は再び正周り。
これもSS2同様概ね大きなミスも無くSS1の2秒アップの1分45秒でゴール!
取りあえずラリーキッズ伊那でのの3SSを終え2位に9秒のアドバンテージを築きました。

重量測定(果たして何キロ?)

SS3を走り終わったところでそのままラリーキッズを出て指定のスタンドで満タン に給油、 再び戻って重量測定、うちのは777キロでした。 (なんかラッキーな感じ、特に深い意味は無いですけど(苦笑))
そしてパドックに戻り、林道に合わせてリアスプリングをノーマル形状に交換。 (神山さんと緒方君にやってもらいました、感謝です)
更にエンジン不調の原因を思われるパーツを交換しようとしたら不注意で左手に 熱い冷却水を浴びてしまい火傷してしまいました。(苦笑)
慌てて冷たい水で手を冷やし、ミラージュでBクラスに参加の池田さん・全日本仲間の朝山君から 薬を貰って塗りながら準備を進め、取りあえず林道に向かって出発しました。
移動中も手が腫れるのでコンビニで冷えピタシートを買って貼りました。
ただでさえ初めての夜間走行でプレッシャーが掛かるのに余計不安が増しましたが 暗い車内に灯るラリコンの赤い表示や試しに点けた補助灯の明るさに ”ムード有ってカッコいいなあ〜”等とミーハーな事を喋ってるうちに案外気分も 楽になり、すぐにSS4前の1CPの手前の待機場所に到着しました。

SS4・SS5(小手調べのショートSS2連発)

SS4は南側から約2キロ、SS5は北側約3キロです。 (それぞれ概ね登りです) 幸い林道はドライのようなのでウエットのつもりで履いてきた93Jを積んできた9 8Jに慌てて交換しました。 (初の夜間走行は不安ですがとにかくドライという事で凄く安心しました(苦笑))

そして順番がやって来て1CPに到着。
ちなみにCPとは決められた時(秒)にラインを通過しなければならないCHECKポイントの事です。 (今回は主にSSのスタート遅延を防ぐ為に設定されたようです)
何か妙に緊張しつつ島田さんのカウントダウンに合わせて何やら怪しげなタイミング でクリア(苦笑)
際どく?ノーペナルティでいよいよ林道最初のSS4のスタート位置につきます。
島田さんが声を出しながらスタート時刻をラリコンに入力!補助灯を点灯! 高回転で空ぶかしをしつつ刻を待ちます。
そしてインカムを通じて入る島田さんのカウントダウンに合わせていよいよスタート!!
まづは2速、3速と急な登り坂を全開!R6・L5・更にR6でクレストからL4から3!! 山に入って次ぎから次ぎに現れるコーナーをクリア!
途中でオフィシャルの車をスピンした前走者と勘違いして減速してしまって みたり思いきり踏んで良いところで様子見してしまったりでロスもしましたが 距離も短かったので取りあえず無事ゴール。タイムは2分26秒。
暫くつなぎを走ってから引き続きSS5スタート。
ここは細かいコーナーが続くセクションが多く流石にデビュー戦のぼろが出て ペースノートをちゃんと聞きとれずややリズムが悪い走りをしてしまいゴール。
タイムは3分13秒でした。
ゴール後はSS6前の2CPに向けてダートの林道を移動、ターマック用に車高を 下げてあるうちの車にはややきつい道でしたが何とか時間までに2CP前に 到着しました。
周りのタイムを聞いて回るとSS4・SS5で結構差を広げたようなので一安心、 もっとも長いSS6に備えます。

SS6(最長SSパート1)

SS6はSS4&SS5の区間を含む全ての区間を走ります。(約7キロの概ね登り です)
自分的にはまづは気合を持続させる事がこのSSでの課題でしょうか(苦笑)
1CPと同じように2CPを無事に通過(今度はドンピシャでオッケイ)した後、 カードを 貰ってスタート位置につき、不調のエンジンがストールしない様にレーシングして待 機! 気合の掛け声をナビと交わしてからカウントダウンに合わせてスタートしました。
今度は2度目のコースになるので意識して勢いを増して行きます!
島田さんからも1本目踏み切れなかったコーナーでは”ロングロング!””全開!!” と踏むように促されます。 (踏めなかったところはちゃんと把握してる様です、さすが!!)
中盤では又ノートの聞き取りがうまく行かなかった部分が有ったものの概ね 大きなミス無くゴール!!タイムは6分45秒でした。
同じ区間を走ったSS4・SS5の時よりは運転も大分良くなった気がしました。

レスト(休憩できると思いきや・・)

時刻は22時過ぎ、SS6のゴール後は逆走のSS7・SS8に向けてすぐに転回、 全車一列に並んで約1時間の待機です。
車から降りて周りのタイムを聞いてみるとAクラスはみんなSS6は7分以上掛かっ ている様なので 一安心していると島田さんが”ボンネットの下に水が漏れてますけど何ですかね?” というので ”エアコンの水でしょ”なんて呑気な事をいいつつ一応水温計を見て息を呑んだ。 Hを振り切ってる(絶句・・)
慌ててエンジンルームを開けて冷却水のリザーバータンクのキャップを外すと 蒸気と水滴が轟音を上げて間欠泉のように吹き上げた・・・ (今日2度目のクーラントの洗礼を受ける私・・(苦笑))
周りのみんなが色々見てくれてどうも電動ファンが故障しているらしいという事が分 かった。。
何人かが水やお茶を提供してくれたので取りあえず給水(&給茶)しました。 (ラリーの人たちは新参者に対してみんな本当にやさしく親身に助けてくれて感動し ました。) 故障の方はいつからなのか分からないので本体がどの程度ダメージを受けているか 分かりませんがあとSSは3つ(約15キロ)なのでとりあえず水を入れ、ラジエター を 塞ぐ位置に有ったナンバープレートをずらして全開で行ってしまう事にしました。 (ちょっと気持ちが萎えましたが壊れたら壊れただと覚悟を決めて行く事にしまし た)

SS7・SS8(恐怖?の下りSS)

SS7・8は夫々概ねSS4・5の逆走、つまり下り向きなのでちょっとプレッ シャーがかかります。
スタート直前に脇の側溝に湧き水がある事に気付き出走を2台後に下げてもらって更 に給水してから どたばたとスタート位置に着きました。
例によってカウントダウンでスタート!
スタートしてL3の後ぐいぐいと下り全開!若干の恐怖感からちょっとリズムが崩れ ていくつかはらみ 掛けた上、途中コース上に壊れた高さ10センチ・長さ2メートル大のアスファルト の縁石が横たわって いてガツンとモロに乗り越える(痛〜)
そんなこんなでちょっと走りのリズムが崩れて島田さんから”落ち着いて”とすかさずアドバイス! ”大丈夫!”と返して攻めつづけゴール!タイムは3分12秒 2位を14秒離したがハンドルがちょっと左に傾いた・・・ 縁石を乗り越えた影響らしい。
アライメントが狂ったかホイールが曲がったか・・・どっちにせよあの衝撃で有れば 当たり前という感じです。
そして数分のつなぎの後SS8スタート!
気を引き締めなおすも登りに比べるとやや警戒しすぎの感じを持ちながら下りの 緩いカーブを4速全開で抜けてゴールラインを切ってコントロールへ行くと”Bのベ ストと同秒だよ”といわれた。
甘い様でも島田さんのノート情報のお陰で大きなロスが無かったのが良かったのか、 あるいは他のクルーが疲れてそれほどうまく行ってないのか分かりませんが結果オー ライという感じでした。(苦笑)

SS9(最終・最長SSパート2・やっぱりやってしまった初クラッシュ・・)

SS9はSS6と同じ区間、登りのフルコースです。
本来手前に3cpが設定されていて少し走る予定だったのですがタイムスケジュールが 遅れたことからSS8ゴール後にすぐに転回してスタートの順番待ちになりました。 車の方はとりあえずすぐにエンジンがとまる症状は変わらないものの水温は安定して 来ました。
更に親切な方のアドバイスを受けて電動ファン配線を修理し、作動状態にできたので とりあえず これ以上のトラブルは回避できる目途が立ちました。
安心して列にならんでスタートを待っていると何かトラブルが有ったのかなかなかス タート が始まらず暫らく待ちます。
時刻は既に1時を回り、そろそろ起きてから22時間程が経ったのでさすがに眠い事 眠い事(苦笑)
島田さんも眠いようで二人で”眠いね〜””お腹減ったね〜”とか言いながらなかな かテンションが 上がりませんが体操してみたりガムをかんでみたりして目を覚まし、いざスタートの 前には又も気合の 掛け声で無理やりテンションを上げました。

その甲斐有ってかスタート直後から感じよく走行、島田さんとの息も合って今回最高 の雰囲気で次々と コーナーをクリアしてゆき、後半セクションに突入、これはいけるぞと思った矢先、 唯一落ち葉が路面を埋める 左コーナーで遂に魔がさしました(苦笑) 轍のように顔を見せる舗装から僅かにラインを外したあとは見事に落ち葉に足をすく われて そのまま外側の土手にクラッシュ!!
慌ててバックして再スタートするも10〜15秒程度ロスした感じ(苦笑)
その後は島田さんの”落ち着け”コールにも助けられすぐに復調し、再び良いテン ションで走行、無事に? ゴールへ・・・タイムは6分54秒。 (やはり刺さらなければSS6より良い感じのタイムでした・・・無念!)
ゴールするとまだ前走のムッチーが止まってるので何かと思えばムッチーも刺さった との事。
一緒のデビュー戦は一緒に最終SSでクラッシュを経験して終えることになりました (苦笑)

その後は酷い悪路を通ってゴール地点の仙流荘へ向かいます。
普通の舗装路に出て一安心した所で追いついたムッチーと自販機前でクラッシュ談義 で軽く盛り上 がってから再び移動、午前2時すぎにゴールの仙流荘に到着! 島田さんと握手で完走を喜びました。

コントロールシートを提出すると広間で寝ていたサービス隊と合流。
風呂に入ってからビールを飲んで倒れました(笑)

結果

結果はAクラス優勝、記録はBクラスでも3位相当、Cでも6位相当とデビュー戦と しては 出来すぎというくらい充分に満足の行くものでした。
2位の武藤/安藤組は来がけに事故に遭いレキが出来なかった為苦戦となってしまい 残念でした。

参考までにAクラスの上位結果と他のクラスの優勝者の結果です。

 \ A優勝A2位A3位A4位B優勝C優勝A4優勝
DR矢 島武 藤宮 下唐 釜栗 原斎 藤田 井
NV島 田安 藤小 川伊 藤大 高菅 野大久保
車両GA2GA2EP82K11AE111CP9Aアルト
SS1107109114113106105117
SS2105109116113113103116
SS3105108115114104105117
伊那317326345340323313350
SS4146160159157143138154
SS5193207204210194188198
SS6405431441460408395424
SS7192206209212193186203
SS8137146146153137134143
SS9416448438459403388425
林 道1489159815971651147814291547
合 計1806192419421991180117421897

表彰式は朝、食事の後で広間で行われました。
ラリーの表彰式はそれ自体がイベントのような部分が有っていきなり座り込んでは落 語調で 語りだす人、漫才のように語る人などいてホントに面白いです。 (デビュー戦の私はさすがに大人しくコメントしておきましたが・・・)
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(PHOTO:Aクラスの1−2−2 左から 矢島/島田組 ムッチー/安藤組 宮下/小川組)
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(PHOTO:デビューウインの笑顔!)

約1時間の表彰式を楽しく終えて解散となりました。
今回は本当に色々な方々のお世話になり本当に感謝・感動の連続で大満足のデビュー 戦を 飾る事が出来ました。
皆さんも是非一度ラリーも見に来て、参加してみて下さい。
ジムカーナも楽しいですがラリーもまた違った魅力山盛で楽しいですよ!

ではでは!

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サービスに来てくれた神山さん・緒方君・朝山君
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壊したバンパーと安藤ナビ
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壊れたバンパーと壊したむっちー(笑))

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