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全日本ジムカーナ選手最終戦

記 矢島 融


photo みなさんこんにちは!というかお久しぶり、という感じですね。
(ここの所怠けてましたね(苦笑))
今回は2003年最終戦、筑波サーキットコース1000ラウンドのレポートです。
今シーズンは新生N2クラスに参戦し、開幕戦こそ3位で始まったもののその後 車の調整に手こずり序盤〜中盤はギリギリ入賞ベース、中盤以降は車も幾分か 改善して公開練習では良い位置を毎回確保しながら本番では何かがかみ合わず 入賞も出来ない不本意なイベントを重ね、シリーズも7位まで落として今回の最終戦 に至りました。

なので今回の目標としてはとにかく何より無理して自滅するような事はせず、 自分の実力で当たり前に走り、勝てなくとも納得のできるポジションを確保 する事、そして結果的にシリーズ6位以内に復帰する事を目指す事にしました。
(つまらないことを考えるとまた無意味に気負う事になるので鈴鹿以降ポイント  も確認しないようにして当日を迎えました(苦笑))

金曜日

今回は久しぶりに金曜から現地入りしました。
(仕事や費用の都合で金曜練習は砂川以来行ってませんでした)
公開練習が1本のみの走行と言う事で金曜にセッティングを詰める気でいたので 神山さんにサービスに来ていただき朝も早ようから筑波に向かったものの朝はウエッ ト(苦笑)
更にコースは短絡路を通るたびにジグザグするような速度の乗らないコースでおよそ 本番 には無さそうなレイアウトです。
しかも土日の予報は晴れなので午前中は止む無くコース慣れだけを考えてぼちぼち走 りま す。
ドライになった午後はたったの3本でしたがフロントのバネだけは2種類比べて 本番の仕様に目途を立てて練習を終えました。
(主催者が計測してくれないので細部タイムは不明です)
宿泊は下妻の駅前の旅館です(これはちょっと外しました(苦笑))
飯は駅前通りの居酒屋、調子に乗って頼み過ぎてつまみを残して しまいましたが美味しく楽しくいただけました。

土曜日

photo 土曜からはサービス隊長の佐藤さんが来てくれました。
受け付け時間も遅いので国道沿いの牛丼屋で朝飯を食べてから会場に向かいます。
今日はたったの1本の走行ですので特に車いじりはせず、金曜に良かった
セッティングで新品タイヤを履き、フィーリングのチェック&他のドライバーの走り のチェックをする事にしました。
コースは金曜よりはハイスピードになったもののこれも何か本番とは違う感じで 慣熟歩行ではパイロン配置を見て”あの区間は無いな”とか
”ここは逆になるかな”なんて 関係ないことばかり話しながら歩いていました。(苦笑) 昼からの走行は予定通り本番で使うつもりの新品タイヤを装着して臨みました。
しかしいざ走り出すと何が悪いのか分かりませんがフロントの感触が今一で 金曜より悪くなった気がしました。
(各コーナー頭が逃げてつまり気味の走りになってしまっていました)
実際結果はエグゼの中島さんと千分差の2番手でしたがペナルティを引くと田原 君がコンマ7程速いタイムを出しており余りよいとは言い難いタイムでした。
しかし最近の出来からするとコンマ7落ちでさえ”そんなもんか?”と悩んでしまい ます。
(タイムが出ても結果に繋がらないとやっぱり弱気になってしまうんですねえ(苦 笑))
そこで他のクラスも含め他のDLのドライバーに感想を聞いて周って情報収集して みました。
同じように新品を使い???と感じてる人も居れば”やっぱり新品が良いよ” と言う人もおり、ますますこんがらがります(苦笑)
(運転や車の違いで感想は違っても何の不思議も無いんですけどね・・・)
最後はビデオで分析するしか無いと思いせっせとパソコンに取り込んでいると4時 になって発表された本番コースは今日とは全然と言って良いほど違うコース(苦笑)
(今日の練習は!!取り込んだビデオは一体何なんだー!!!)
悩みはどんどん深まるばかりとなりました・・・

結局問題は解決しないまま取り合えず会場を後にしてビアスパーク下妻と言う温泉 施設で露天風呂につかってリラックス。
そして後は焼肉屋に行き、どうでも良いお喋りをしながら楽しい夕食を済ませまし た。
(一応ビデオを見るつもりでしたが疲れと酔いですぐに寝込んでしまいました(苦 笑))

日曜日

photo 夜中に目が醒めたので問題解決の為ビデオを分析開始。
コースが違うながらも金曜の他車との差、土曜の他車との差をよくよくチェックして それなりの結論を見出しました。
ちょっとだけ寝なおして5時半起床!いよいよ本番です。(眠い・・・)

会場入りして間も無く再度慣熟歩行です。
コースはスタートするなりストレートを150mほど全開後右180度ターンで 折り返し、一本パイロンを引っ掛けてシケイン路に入りそのまま1コーナーに進入! バックストレートに出て3速全開から規制をかわしてひねった右180度ターン、 立ち上がりを規制するパイロンをかわして内周に入り2速全開から大きな島 を時計の逆周りに進入し、一周と少し回ってから短絡路でコの字に折り返すように再 び 外周1コーナーに飛び出して再度全開、今度はコースなりに右ヘアピンで内周に入り 島の手前のショートカットを通って最終コーナーに向かって正周りにオンコース、ゴール 前で広めのスラロームをしてゴールとなります。

勝負どころはスタート直後とバックストレートの高速進入の右180度ターンと 内周の島一周、そして最終コーナー&スラロームのラインという所でしょうか。
リスキーなターンの進入でいかにきっちり最適なブレーキを踏めるか?という チキンレース的度胸勝負と内周でよいラインに適度な速度に乗せ続けるシビアさ が求められる難しいコースかもしれません。

自分的にはチキンレースは割と得意な方なので問題は内周で求められる慎重さ でしょうか・・・(これは苦手中の苦手だ(苦笑))
しかし冒頭のとおり今回は気負わず当たり前に走る!と初めから決めて居たので ”なりに慎重に走る”と言う事はそれほど難しくは感じませんでした。

そしていよいよN1から競技スタート!
久光・トミーがよい走りを見せますが順位はもう一つ伸びず1本目を終了、競技は N2クラスに進みます。
佐藤さんと神山さんが準備してくれた車に乗り込み、コース脇のピットロードに移 動、 車を降りてイイケン、瀬戸らと前半ゼッケンの走りを見ます、広いので走りは良く わかりませんがタイムは概ね28秒前後、この分だと26秒前半くらい出せばそこそ こ の位置につけられるかな?等と思いつつメットを被ります。

前ゼッケンの瀬戸が走り出すのを見てからスタート位置につけます、するとスター ターが 瀬戸の居るバックストレート方向を見ながら”あ〜あ”等と大きな声を出すので見る と 突っ込みすぎたのか止まってしまいバックしているのが見えた”ありゃりゃ!俺はあ そこは抑え目に行こう”と思います。
(余談ですがスターターが”あ〜あ”とか大声で言うのはどうかと思いますね)
そして瀬戸が後半に入った所でいざスタート!!
photo
高回転からクラッチミート!いい感じの半クラッチでVTECを効かせて2速全開 でターンに進入します!
ぼちぼち押さえ込んだつもりがちょっと頭を逃げ気味にしてしまいちょっとロスった 感じ、戻りのシケイン路への進入は大半の人はグリップで旋回していたが自分は前日の 似たセクションでアンダーが強くロスったのでちょいとサイドを当ててクリア! 一度合わせただけですぐにアクセルオン!ここは結構決まった。
そして1コーナーに進入、割と強めにブレーキを踏んできっちりニュートラルから 弱オーバー気味の姿勢を作りそこから全開!
姿勢変化が上手く行ったので予想以上にインにつけて全開で3速に上げながら バックストレートに向かいます!!
バックストレートでは早めに右にラインをずらして規制のパイロンをかわすラインに 乗せ、問題のターンに向けて緩い右ロールとともにフルブレーキング!
”ちょっと早め”のつもりが結構近くて止まれず”やば〜い!!” 等と焦りながらも何とかギリギリとまって無理矢理ターン!!(BRIGのパッドが グー!!(笑))
動きが一旦止まってしまった為立ち上がりはやや失速したものの次へのラインは つながり、進入で稼いだ分で相殺できる程度のロスで済んだ。
そして左、右と縁石をかすめながらS字を描き内周へ向かいます、2速に上げながら 緩い S字のロールを保って吹けきり寸前の速度から左に切り込みつつ緩く減速しながら島 に進入、 落ち着いて失速しすぎとアンダーを警戒しながら程ほど(?)のラインで奥に向かっ て差し込みます。
いざ回りだすと思ったよりよい感じで曲がってくれる車を落ち着いてラインに乗せて 一周回りきり、切り返して2速のまま外周へ出るが今一速度は低く尚且つパイロンを ギリギリで通過して思わずバックミラーで確認してしまった(黄旗は出てませんでし た(苦笑))

気を取り直して外周を再び全開!今度はコースなりに短絡路を右に入りインベタで 立ちあがって次の左コの字コーナーに外から2速で進入!コーナー真ん中でローに 落とすもちょっと深すぎてつまりながら最終コーナーに向かいます、最終コーナーは 金・土とアンダーに苦しんだので少し内側ラインを換えて小さめにクリア!
スラロームは焦らすぼちぼち抜けてゴール!!
”タイムは〜25秒925!ここで矢島がトップタイム〜!”とのアナウンスを聞く。

photo まだ後に6台も居るので”トップ”は余りあてになりませんがスタート前の目論見から すると”25秒台”はもしかして結構良いかも!?
なんて思いながらパドックに戻り車を止めてすぐにコース脇に行って中島さん以降 の走りをみます、中島さんは中間をコンマ3落ちでゴールはコンマ6落ち、田原君は ターン等でロスをしてやはりコンマ5落ち、津川さんもらしくないミスを犯してコンマ3落ちにペナルティを受けてしまい取り合えずトップのまま折り 返しとなりました。
まだ一本目なのにここ暫らく不調のイメージが強かった為か妙に沢山の人が既に ”良かったねえ〜!”とか”おめでとう”とか言いながら握手を求めてくれました。
勿論まだまだ一本目で何が決まった訳ではないので普通であれば”まだ分からない よ” といって断る所ですが今回に関しては”楽な気持ちで当たり前にタイムをちゃんと残 す” と言う目標は既に達成したので自分的には素直に握手しまくってしまった。
(きっと”まだわかんないのに浮かれてるよ”って思ってる人は沢山居たでしょう ね。(苦笑))

インターバル

多くの人が”いい走りだった”と言ってくれる出来だったのでビデオでの分析でも 特に悪い所は少なかったのですが実は特に速い所も余り無いという結論でした。
しかし直すと言っても2箇所程ギアの使い方を替えるべきかどうか? という程度でどうも上げても微々たる物になりそうです。
逆に田原君・津川さん等は結構上がる余地が見られたのでまたもカッコ良い 逆転劇の引き立て役になってしまうのではないかと言う不安がよぎりますが 勿論自分もタイムアップする気合で走る覚悟を決めました。

2本目

期待した(笑)路面温度の上昇も無く、問題なく勝負ができる路面で2本目は始まりま した。
(そう易々と逃げ切らせて貰えるほど甘くは無いですね)
N1は結局トミーが惜しくも届かず3位、久光はターンで大失敗し4位でイベントを 終えました。
(シリーズは久光が1位、トミーが3位で確定です)
N1に続きN2も前半ゼッケンが少しずつタイムアップし、やはり2本目勝負の空気 が漂い ます。
私は取り合えず1本目に当初の目標は達成したので2本目は路面の感触を意識しつつ できれば1本目より少しだけ攻めてタイムアップを図るつもりで臨みます。
前ゼッケンの瀬戸が又も奥のターンでミスして今度は2輪脱輪でミスコース扱いとな り不穏な空気?(笑)のなかで私のスタートです。
1本目同様いい感じの半クラッチでスタート!2速に上げてターンに進入しましたが やや引き方が慎重過ぎで回しこみが甘くなり失速、ややロスとなりました。
しかしめげずにその後のシケイン路はうまくまとめ外周から高速ターンも1本目と同 じくらいのタイムで通過、結局中間タイムは最初のターンの分遅れたコンマ2程落と して通過します。
その後後半はほぼ1本目同様の内容で走りきり、結局最初のロス分 そのままコンマ2程落として1分26秒133でゴールとなりました。
車重の測定後、パドックに車を置いてまたも土手に見に行くと既に中島さんは タイムダウンで終了、田原君はタイムアップするも26秒071と僅かコンマ1程届 かず
2番手に留まり津川さんもスタート直後のターンをミスってしまいその後まとめるも 中間もやや遅れて通過!ゴールタイムは1分26秒414!!その瞬間私の今季初優勝が決定しました。
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そしてまた古い地元の仲間やライバル達、DLの仲間やサポート関係の方々など、 色々な人たちから安堵(苦笑)と祝福の言葉と握手をもらいサービスしてくれた 佐藤さん・神山さんらと一年振りの優勝を喜ぶ事が出来ました。

■決勝タイム(敬称略)

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 1 矢島融  (DC2/DL) 85.925 (1本目)
 2 田原憲  (DC5/DL) 86.071 (2本目)
 3 津川信次(DC5/DL) 86.414 (2本目)
 4 中島聡  (DC2/BS) 86.599 (1本目)
 5 加藤秀彰(DC2/BS)  86.601 (2本目)
 6 佐川和良(DC2/BS) 87.565 (2本目)
 7 西川純一(DC2/DL) 87.726 (2本目)
 8 新井大輔(DC5/BS) 87.791 (2本目)
 9 水谷泰之(DC2/BS) 87.802 (2本目)
10 飯島賢治(DC5/BS) 87.855 (2本目)
17 瀬戸伸幸(DC2/DL)(2TRYともターンで沈没)

■シリーズ結果

photo  1位 津川信次(DC5・DL) 120P (優勝*6)
photo  2位 田原  憲(DC5・DL)  100P (優勝*2、2位*4
photo  3位 中島 聡(DC2) 63P (2位*1、3位*1、4位*3、6位*1)
photo  4位 矢島 融(DC2・DL) 60P (優勝*1、3位*1、5位*2、6位*2)
photo  5位 佐川和良(DC2・BS)  54P (3位*2、4位*2、6位*1、7位*1)
photo  6位 加藤秀彰(DC2・BS)  50P (3位*2、5位*2、6位*1、7位*1)
photo  7位 新井大輔(DC5・BS)  49P (2位*1、3位*1、4位*1、6位*1、8 位*2)
photo  8位 瀬戸伸幸(DC2・DL)  41P (4位*2、5位*1、6位*1、7位*1、8 位*1)
 9位 藤原広佳(DC2・DL)  16P (4位*1、8位*2)
photo 10位 飯島賢治(DC5・BS) 14P (5位*1、8位*1、9位*1、10位*1)

改めて振り返れば上位の二人は流石の横綱相撲を見せたものの諸々の情勢 変化の影響を受け、昨年までの上位選手がいとも簡単に転落してみたり逆に 今まで全日本で実績の無かった選手達が上位に躍進するという波乱と混沌の一年間で した。
私も一時は波乱と混沌の代表選手になりかねませんでしたが今回の優勝でシリーズ 順位は6位どころか4位まで回復し、入賞圏外という最悪の危機は脱しました。

今年の反省

今年は久しぶりの車種変更、そしてA車からN車への移行など車両面での 変化が大きくどんなシリーズになるか全く予想できない状況で始まりました。
シーズン中はいろいろな理由で苦しい戦いをする事となり、大分気が滅入る
思いもしてテンションも下がりましたが最終戦の筑波で勝てたのはそれまでの負け方 を反省の糧にする事が出来、自分の持つべき心持を持てた事が何より良かったと思います。
(シリーズ4位はともかく最後の優勝で一応元A1のメンバー他各方面への責任も  それなりに?果たせた気がします)
とにかく今年は色々勉強になったシーズンでした。
津川選手をはじめ色々なアドバイスいただいた諸先輩選手方、そして揉んでくれた ライバル達、そしてなにより毎戦頑張ってくれたサービス隊のみんなにお礼を申し 上げて今年の締めくくりとしたいと思います。

本当にどうも有難うございました。


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