峡北別荘
ガゼボ風呂

風呂は別に生活に必需品ではないし、銭湯に行けばいいじゃん!と思っていたが重い腰を上げた
いよいよ風呂の製作となるが、これが一番の悩みのタネです
小屋を建てるのは材質の面でも自由度も高いし、要するに雨風が凌げればいいだけです
防水という点でも、屋根に少し神経を使う程度です
しかし、風呂となるとその湿気は相当のもので、製作に使える材料も限られて来ます
そこに電気や水回りの工事まで入って来ますので、想像以上に難易度が高い訳です
完成までの設計図を頭の中で書こうとしても、頭の中はぐしゃぐしゃになってしまいます

始めに問題になる事は建物、通常の住宅においては殆どがユニットバスになります
当然母家への湿気対策と考えれば、プラスチックで囲まれたユニットバスが一般的でしょう
キュービックタイプのユニットバスなら、屋外でも簡単に設置出来るし、回りを囲って見栄えよくするという手があります
もっとてっとり早いのが、仮設タイプのシャワールームです
しかし、それだけで20万以上は掛かってしまいますし、悩んでいる間に値上げまでされました
さらに問題になるのが給湯器です
ガスが一番手頃なんですが、プロパンの給湯器にゴムホースは法令で禁止されています
例えば、たかが瞬間湯沸器つけるだけでも業者にやって貰わないとなりません
通常のガス工事は無償なんですが、ボンベを設置し、都市ガスのように基本料金を払う事になりかねません
では、灯油では?となると、給湯器が最低でも10万くらいと高くなってしまいます
通常シャワーさえ出れば洋式に浴槽が洗い場変わりにもなりますから、このセンで考えていたのですが、ここまでで予算30万は掛かり過ぎですね

では、在来の日本の沸かす風呂で考えると洗い場が必要になります
つまりは本来この建築の場合、さらに基礎工事からやらないとなりません
つまり、小さな家一軒建てる事と同じになるのです
悩んでいると、Iさんから簡易露天風呂キットが10万であるとアドバイスを頂きました
当然10万でとりあえずは風呂に入れる訳ですが、悩みは洗い場
しかし、これが大きなヒントになりました!
逆に言えば、洗い場さえ何とかなれば、このセンで作るのが一番安い訳です
このキットの内訳のバラ売りは風呂釜4万少々、浴槽6万少々となってます
ゴエモン風呂も考えたが浴槽が高いし、バスタブも結構高価ですが、和式のポリバスなら新品で2万ほどであります
まして風呂釜なら、極端な話しは給水はホースで、残り湯の排水なら地下浸透の排水でいい訳です
やはり問題になるのは洗い場とその排水ですが、風呂釜での製作が自作としては濃厚になりました
また風呂釜にはバランス風呂釜という浴室内の浴槽の横に設置出来て、シャワーまで付いている風呂釜もある
一昔前に賃貸住宅によく見かけられたが、これはガス用しかないという事で断念
まずは作り始める事で、問題点をひとつづつ解決して行くという手段で製作開始することに

さて、ガゼボ風呂とは?なぜ?”ガゼボ風呂”なのかのを説明してませんでした
ガゼボとは洋風の東屋、つまりは屋根と腰下程度のレベルでの露天風呂的な開放感のある風呂の製作がテーマです
また、ガゼボには高い所や火の見やぐらなどの意味もあるらしく、西傾斜の景色の良さからもガゼボ風呂といたしました

まず、ユニットバスでない以上は在来の工法が参考にはなります
しかし、基礎からコンクリートで作る気はありません
キットのように露天風呂は考え方によっては簡単な訳ですが、家風呂がない所に露天風呂はただ湯に浸かるだけの風呂になってしまいます
そこで考えたのは私的に考えた”ガゼボ風呂”なんです
これは風呂をひとつの建築物と考えず、屋外に金隠し程度の壁とカーポート程度の屋根で囲い、浴槽と洗い場を個々に作って中で合体させるという手段です
例えば建築物の中に風呂を設置するとなると、防水という点で難しくなりますが
露天風呂的に廻りを囲えば、例えお湯が溢れても地面という事です

それでは、やっと製作行程に入りますが(笑)
とりあえずバスタブを購入!ヤフオクで送料別で5000円のキズものB級品
通常のバスタブは返って高級品な訳ですから、通常なら10万近くする代物かと思う
ただキズは予想以上に深く、確かにこれだと商品にならないと明確な感じ
当然エプロンもなければ、そのまま地面に置ける訳でもないので、2×4で木枠を作り、重量ブロックの上に乗せる
つまり、露天風呂キットの浴槽とは比較にならないほど安く済んだ
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このバスタブがベースにバスタブと同じ大きさで洗い場のスペースを取り、壁の骨組みをパネル工法的に作り、これがジャスト母家の三分の一サイズ
大まかなレイアウトが完了した時点で、排水の位置が決まり、給排水の工事となる
唯一の給排水からツルハシで掘り、かなりの時間と労力であった
排水は塩ビパイプで洗い場のほぼ中央に、ハスタブからの排水もあるので地上ぎりぎりで二股を取付た
給水の鉄パイプの水道管は地面に埋めるため、かなり神経を使いながらの作業を終え、排水の流れを確認して埋め戻し
ちなみに排水管の傾斜は1メータにつき1センチが基本らしいが目測

給排水のレポは簡単にして、一番問題になるのが洗い場の床
コンクリートの床にするにも、木枠は必要となる訳だが、ユニットバスみたいなFRPの排水パンは出来ないのか?考えた
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例えば、洗濯機の排水パンを流用出来ないか?とも考えた
わずか1平方メータだから、ブロックの上にコンクリートの排水パンはどうだろう?とも考えた
結局結論は木枠の排水パンにFRPで防水処理をするという事だった
FRPとは、車のボンネットなどの軽量パーツやヨットやカヌーなどに主流で使用さてるプラスチック
そのFRPの整形や加工までを勉強する事になったのだが
木は腐るし、鉄も錆びる、このFRPは水回りには最適な素材である
もっとも、ユニットバスやバスタブの主流の素材でもあり、今さら言うまでもないのだが、材料がちょっとばかし高く、費用は1万超えてる感じ
洗い場もバスタブと同じく重量ブロック乗せ、基本的には置いてる状態
木風呂とユニットバスの中間的な合体バージョンという事になるだろうか?
余談ですが、腰下のみユニットバスというハーフタイプのものもありますけど、需要的に割高

さて、排水の塩ビパイプにフレキのホースで排水配管すると雨水が排水口に流れてしまうので、屋根を掛ける
開放感を残すため、透明のボリカーネット
出来れば高級カーポートに使う厚めの平板がいいのだが、高価
半分実験的な要素もあるので一枚980円の波板二枚
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ドアは、たまたまガレージ使用に迷って余っていた勝手口ドア14000円ほど
風呂用のサッシのものと比べて見ると、ガラスと樹脂の違い程度
後はノブも違うのだが、ここは屋外になるので、鍵も掛かかるためこっちの方がいいだろうか
腰下部分から壁を張るのだが、ここは桧のフローリング材一坪でこれもまたB級品で8000円ほど
いよいよ風呂釜の取付になるのだが、風呂釜にはガス、薪、灯油用がある
ガスを除くと、一番てっとり早いのが灯油専用、屋外用の煙突の必要としないものがある
これはかなりコンパクトで、価格的に大差がないために風呂釜の選択にはかなり迷った
結局、写真にあるのは、露天風呂キットと同じ長州の薪用かと思う
実は露天風呂キットの薪用風呂釜と殆ど同じ価格でバーナと石油タンクまで付いているのが楽天ショップにあった
そう、薪兼灯油という便利な風呂釜があり、さらにバーナとタンクの分が安かったのです
と、まあ材木2×4材は作業のたび細かく購入してるのだが、風呂釜まで入れてここまでで総予算10万までは行ってないだろうか?
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しかし、問題になるのはこのバーナは屋内用という事で屋根を掛け、燃焼効率から煙突を真直ぐに抜かなければならない
まず、薪ストーブの屋根用のメガネ石はとても高価
そこで木枠を作り、そこにコンクリートを流し込み、一旦コンクリートで出来たメガネ石を取出し、下に抜けない程度に屋根を切り、煙突を暫定的に設置
バスタブ側の腰上には母家のドアの取付けで出た廃材や1×4材にて壁を張り、母家との一体感を出す
さらに2×4材で照明と小窓、これもまた余っていたガラスブロック
照明器具も防水用は高価なのだが、ここはそれ程湿気も隠らないと思うので自作
母家や水道の照明も兼ねる事が出来た
本来、この程度の開放感でガゼボという感じかと思うけど...

廻りを垣根で囲ってしまえばこの程度でも良かったのだが、とりあえずはOSB材のコンパネで跳ね上げ窓にしてみた
和式の風呂にはありがちかと思う
さらに煙突を屋根より上に立ち上げ、バーナとタンクを設置
屋内用であるのはこのバーナの部分かと思われる
ただ、タンクの屋内用の意味がわからないのだが、サイドテーブルのようにとりあえずは直接の雨を避けるようにした
風呂釜から一番近いところに不燃材のケイカル板、これもガレージの余り物
もう一つ問題になったのは、煙突の支持金具
通常、軒があればそれ程長くなくて付けられるのだが、ホームセンターには壁から距離を保てる長い物はなく、これだけメーカーから直接ネットで購入した
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排水パンはFRPでは綺麗に仕上がってないし、排水がゆっくりなためもあり、2×4材でビスは裏側から打ってスノコを作り、排水パンに乗せた
ちなみにここまでビスはステンレスを使って来たのだが、壁にステンの細ビスは高価なのでステンのクギを使った
せっかくのフローリング材なので、ビスやクギを隠す事も出来たのだが
ナントもいい雰囲気になって来たでしょ?

浴室内には蛇口、風呂釜の浴室内スイッチ、ちなみにこのスイッチは風呂釜のオプション部品
最低限度のシールを施し、さらにここからはオプション?のジャグジースパ
完全に外部からの視界を防ぐためにガラスブロックにバンブーのステンドグラスフィルムに扉にはシャワー用カーテンは共に100円ショップにて
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総予算は10万を超えてる感じだが、これで約2ヶ月の片手間作業でガゼボ風呂は完成!
手間暇掛ければこの程度の予算でここまでの物は出来るという事かと思う
さらなるオプション工事に勝手口と風呂の入口に屋根を掛けた
照明も夜にはナントもいい雰囲気になり、癒される
ここによしずなどで脱衣場にも進化出来るだろうけど、これにてこの製作記録を終了とさせて頂きます

そして試運転の結果の感想ですが、まず思った通り排水パンの流れがゆっくりで最後まで排水し切れないで排水パンの中に水が残るという事
これはさらにFRPを堆積させて傾斜をもっと付ければ解決するだろうけど、とりあえず使用に問題はない
これに関係してスノコが大きく機能的に貢献してるのですが、実はこのスノコにお湯が掛かってさらに木の香りが浴槽内に広がる
出来ればイスも桶も木製にしたかったのだが、これだけ通気性がいいにも関わらず木の香りに包まれ、風呂嫌いな私でも入りたくなる風呂となった
また、薪での入浴は一人では温度調整が難しいと思っていたが、このバーナには送風機能も付いていて、薪への焚き付けも簡単だし、沸かす温度も浴槽内から多少の調整が可能
つまり熱くなって来ればファンを止めたり、給水したりすればいい訳です
ファンを回してる時の火力と、止めている時の火力の違いは、沸かすための温度とタネ火くらい違います
なお、薪で沸かした時に問題点が一つ、薪の煙突からの火種がポリカの波板を溶かす部分が発覚
いずれこの部分はスチールの波板に交換せねばなるまい

長くなりましたが、1ページに抑えるために写真も製作行程もかなり控え目にアップしてますので、詳しい事は個々ブログにてご覧ください
また、このガゼボ風呂はバンガローのオプションサービスに加えてます
日帰り入浴でも、よかったらこのガゼボ風呂に入りに来てくださいませ!

- up date 2007.9.11 -

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